2016年10月31日
特殊部隊マニアの高校生がSATについて考える②
どうも、白梟大佐です。
今回はSATが使用する機関けん銃・自動小銃ついて考えてみようと思います。
↓前回
http://gsg9.militaryblog.jp/e803513.html
・機関けん銃
機関けん銃というのは拳銃弾を使用する機関銃、すなわちサブマシンガンのことです。
サブマシンガンの日本語での呼称は短機関銃や機関短銃などがありますが日本警察の公式文書にはmachine pistolを直訳した機関けん銃という名称が使用されています。
個人的には機関「けん銃」と言われるとグロック18のようなものを想像してしまうのですがここでは公式文書に沿って機関けん銃と呼ぶことにします。
・機関けん銃① MP5A5
ルフトハンザ航空181便ハイジャック事件でGSG-9が使用したことにより一躍有名になったH&K社の「MP5」シリーズの一つ。使用弾薬は9×19mmパラベラム弾。
「MP5A5」は9×19mmモデルの発展型の「MP5A4」の伸縮式銃床モデルで、MP5シリーズの中で最もポピュラーなモデルです。
拳銃弾を使用するためライフル弾より貫通力が低いのに加え命中精度が高いため、特に被害を最小限に抑えたい警察へ多く採用されています。
・SATでの使用例
2002年の日韓ワールドカップ警備向けに公開された警視庁SATの公開映像。ハンドガードにSUREFIRE社製のM628フラッシュライトが取り付けられています。
このMP5には光学照準器が取り付けられていないので防弾バイザーを上げて射撃していますが、
突入訓練と思われる映像には光学照準器らしき物が確認できます。(画像が不鮮明なので機種特定はできませんでした)
こちらは2007年に行われた洞爺湖サミットに向け公開訓練での警視庁SAT隊員の画像。EOtech社製の551ホロサイトがハイマウントに取り付けられており防弾バイザーを下ろしたまま射撃できます。またハンドガードにはITI社製のフラッシュライトが装着されています。
2015年、伊勢志摩サミット向け公開訓練の射撃訓練での神奈川県警SAT隊員。
ハイマウントにEOtech社製EXP S3ホロサイトが取り付けられています。
ハンドガードがレイル付きのものに換装されておりレイル下部にフォアグリップとフラッシュライトが取り付けられています。フォアグリップはおそらく両者ともタンゴダウン社製品かと思われます。
フラッシュライトは特定できませんでした(上の隊員のはSUREFIRE製?)わかる方はコメントかTwitterにご一報ください。
上の隊員の左右のレイルにはレイルガードも取り付けられています。
少し気になるのが上の隊員のフロントサイトの縁が黄色く塗られています。ピープサイトで狙いやすくする工夫でしょうか?
同訓練での突入訓練での警視庁SAT隊員。後ろにいる隊員が使っているのがMP5A5です。(前の隊員はMP5F)
この隊員のMP5にはよく見るとレイル下部にアングルドフォアグリップ(マグプル社製?)が取り付けられています。個人的にはアングルドフォアグリップはシューティング競技のなどが使うイメージだったのでSAT隊員が使っているのは驚きでした。
そして銃の前方にガンカメラ?のようなものが確認できます。訓練の様子を記録しているのでしょうか?しかしこれを止める金具のような部品がコッキングハンドルと重なっているのでそれじゃリロード出来ないんじゃ......?
こちらも2015年の公開訓練で突入訓練に参加していた警視庁SAT隊員。ハンドガードがレイル付きの物に換装されており、レイル下部にSUREFIRE社製のM910Aフォアグリップ付ウエポンライトが装着されています。
この隊員は突入はせずに狙撃を行い目標の排除を行っていました。そのため、他の隊員のMP5にはついていないEOtech社製のG33マグニファイヤーが取り付けられています。
サブマシンガンで狙撃というと妙な感じもしますが、MP5はクローズドボルトシステムによるその高制度さから100m以内の近接戦が多い警察では簡易狙撃銃として重宝されており、100m以内であれば正確に狙撃できるようです。
また、この2015年の公開訓練で確認されたMP5A5は大型のストックが取り付けられていますが、H&Kのホームページで確認したところ現行のMP5はストックが大型化されているようです。このことからSATは前回の公開訓練からMP5A5を更新したことがわかります。
この他にも愛知長久手立てこもり事件での愛知県警SAT、2007年APEC首脳会議向け合同警備訓練での神奈川県警SAT、オーストラリアのクイーンズランド州警察の広報誌で紹介された大阪府警SATなどでMP5A5は確認されています。
・機関けん銃②MP5F
(画像は銃器対策部隊のMP5F)
前述のMP5A5のフランス向けモデル。日本警察に納入されているモデルは強装弾対応で大型のフラッシュハイダーが取り付けられいる。
この日本向けをMP5Jと一部で呼ぶため東京マルイの電動ガン「MP5J」は間違いではないが、H&K社の正式名称にMP5Jというモデルは無い。
・SATでの使用例
2013年の福島第二原発対テロ訓練での千葉県警SAT。
光学標準機などは一切無いノーマルのMP5Fがつかわれました。
2015年伊勢志摩サミット向け公開訓練の警視庁SAT隊員。ハイマウントにEOtech社製のEXP S3ホロサイトが取り付けられている。
ハンドガードがレイルシステム付のものに換装されているがガンパーツは装着されていません、
記事を書きながら気がつきましたがこの隊員コスタ持ちですね。警視庁SATではコスタ持ちで射撃するよう訓練しているのでしょうか?
この他にも2005年に行われた自衛隊と北海道警SAT(この時は銃器対策部隊として出た)がMP5Fを使用していたそうです。(画像は見つかりませんでした)
・機関けん銃③ MP5K
秘匿携行に特化したコンパクトなMP5。ストックが無いのが特徴。
元SAT隊員の伊藤鋼一さんが書籍の中でSATの前衛部隊である警視庁特科中隊(SAP)で使用されたと述べています。
・機関けん銃④ MP5SD6
(画像はフランス国家憲兵隊治安介入部隊(GIGN)、MP5SD6の実銃の画像はこれしか見つけられませんでした.....)
サイレンサーが装着されている伸縮式銃床のMP5。こちらもかつて警視庁特科中隊で使用されていたらしい。
SATのモデルとなったGSG-9も様々なタイプのMP5を持っているため最初の頃はそれを手本にしていろいろな銃を採用し、より適した銃を模索していたのかもしれません。
・機関けん銃⑤ MP5A4(?)
2015年の伊勢志摩サミット向け対テロ訓練の狙撃訓練で、標的のテロリスト役のマネキンに吊るされていた固定ストックのMP5、固定銃床でこのタイプのハンドガードのMP5はMP5A4ですがMP5A5の銃床を固定銃床に換装した可能性も考えられます。
もしくは実銃ではなく万が一弾が当たってもいいように訓練用のエアソフトガンだったかもしれません。
・自動小銃
自動小銃とはライフル弾を発射する小銃にガス圧や反動で次弾を自動装填する機構を持たせたもので、アサルトライフルやバトルライフルがこの部類に入ります。
・自動小銃 89式5.56mm小銃
89式5.56mm小銃は自衛隊が採用している豊和工業製のアサルトライフル。陸・海・空自衛隊と日本警察そして海上保安庁で使用されている。使用弾薬は89式5.56mm普通弾(5.56×45mmNATO弾の国産品)
・SATでの使用例
画像は2004年に有識者を集めて政府が行なった「安全保障と防衛力に関する懇談会」で配布された「参考資料〜警察対テロ対策について〜」という資料の特殊部隊(SAT)の項。装備品として89式5.56mm小銃が画像付きで掲載されています。
画像に写っているのは第1空挺団や戦車搭乗員が使用する折曲銃床式のモデルで、銃床を左側に折り曲げ670mmに縮小することができます。
(89式5.56mm小銃の通常型)
(89式5.56mm小銃の折曲銃床型)
この89式5.56mm小銃ですが、MP5よりも長いため近接戦闘には不利になります。そのため敵がボディアーマー等をつけており9mmでは威力不足な場合や敵が屋外にいてMP5では射程不足な場合などの限定的な状況においてのみ使用されると考えられます。
2016年10月現在SATが89式5.56mm小銃を使用した公開訓練は行なっていません。そのためSATが使用する89式5.56mm小銃については現状詳しい事はわかっていません。
今回はここまでです。次回のSAT編ではSATが使う拳銃について考えていこうと思います。
↓Twitter
gsg9_Hk
PS.近々「GSG-9について考える」を始めようと思っています。
*画像に問題があれば削除しますのでご連絡下さい
今回はSATが使用する機関けん銃・自動小銃ついて考えてみようと思います。
↓前回
http://gsg9.militaryblog.jp/e803513.html
・機関けん銃
機関けん銃というのは拳銃弾を使用する機関銃、すなわちサブマシンガンのことです。
サブマシンガンの日本語での呼称は短機関銃や機関短銃などがありますが日本警察の公式文書にはmachine pistolを直訳した機関けん銃という名称が使用されています。
個人的には機関「けん銃」と言われるとグロック18のようなものを想像してしまうのですがここでは公式文書に沿って機関けん銃と呼ぶことにします。
・機関けん銃① MP5A5
ルフトハンザ航空181便ハイジャック事件でGSG-9が使用したことにより一躍有名になったH&K社の「MP5」シリーズの一つ。使用弾薬は9×19mmパラベラム弾。
「MP5A5」は9×19mmモデルの発展型の「MP5A4」の伸縮式銃床モデルで、MP5シリーズの中で最もポピュラーなモデルです。
拳銃弾を使用するためライフル弾より貫通力が低いのに加え命中精度が高いため、特に被害を最小限に抑えたい警察へ多く採用されています。
・SATでの使用例
2002年の日韓ワールドカップ警備向けに公開された警視庁SATの公開映像。ハンドガードにSUREFIRE社製のM628フラッシュライトが取り付けられています。
このMP5には光学照準器が取り付けられていないので防弾バイザーを上げて射撃していますが、
突入訓練と思われる映像には光学照準器らしき物が確認できます。(画像が不鮮明なので機種特定はできませんでした)
こちらは2007年に行われた洞爺湖サミットに向け公開訓練での警視庁SAT隊員の画像。EOtech社製の551ホロサイトがハイマウントに取り付けられており防弾バイザーを下ろしたまま射撃できます。またハンドガードにはITI社製のフラッシュライトが装着されています。
2015年、伊勢志摩サミット向け公開訓練の射撃訓練での神奈川県警SAT隊員。
ハイマウントにEOtech社製EXP S3ホロサイトが取り付けられています。
ハンドガードがレイル付きのものに換装されておりレイル下部にフォアグリップとフラッシュライトが取り付けられています。フォアグリップはおそらく両者ともタンゴダウン社製品かと思われます。
フラッシュライトは特定できませんでした(上の隊員のはSUREFIRE製?)わかる方はコメントかTwitterにご一報ください。
上の隊員の左右のレイルにはレイルガードも取り付けられています。
少し気になるのが上の隊員のフロントサイトの縁が黄色く塗られています。ピープサイトで狙いやすくする工夫でしょうか?
同訓練での突入訓練での警視庁SAT隊員。後ろにいる隊員が使っているのがMP5A5です。(前の隊員はMP5F)
この隊員のMP5にはよく見るとレイル下部にアングルドフォアグリップ(マグプル社製?)が取り付けられています。個人的にはアングルドフォアグリップはシューティング競技のなどが使うイメージだったのでSAT隊員が使っているのは驚きでした。
そして銃の前方にガンカメラ?のようなものが確認できます。訓練の様子を記録しているのでしょうか?しかしこれを止める金具のような部品がコッキングハンドルと重なっているのでそれじゃリロード出来ないんじゃ......?
こちらも2015年の公開訓練で突入訓練に参加していた警視庁SAT隊員。ハンドガードがレイル付きの物に換装されており、レイル下部にSUREFIRE社製のM910Aフォアグリップ付ウエポンライトが装着されています。
この隊員は突入はせずに狙撃を行い目標の排除を行っていました。そのため、他の隊員のMP5にはついていないEOtech社製のG33マグニファイヤーが取り付けられています。
サブマシンガンで狙撃というと妙な感じもしますが、MP5はクローズドボルトシステムによるその高制度さから100m以内の近接戦が多い警察では簡易狙撃銃として重宝されており、100m以内であれば正確に狙撃できるようです。
また、この2015年の公開訓練で確認されたMP5A5は大型のストックが取り付けられていますが、H&Kのホームページで確認したところ現行のMP5はストックが大型化されているようです。このことからSATは前回の公開訓練からMP5A5を更新したことがわかります。
この他にも愛知長久手立てこもり事件での愛知県警SAT、2007年APEC首脳会議向け合同警備訓練での神奈川県警SAT、オーストラリアのクイーンズランド州警察の広報誌で紹介された大阪府警SATなどでMP5A5は確認されています。
・機関けん銃②MP5F
(画像は銃器対策部隊のMP5F)
前述のMP5A5のフランス向けモデル。日本警察に納入されているモデルは強装弾対応で大型のフラッシュハイダーが取り付けられいる。
この日本向けをMP5Jと一部で呼ぶため東京マルイの電動ガン「MP5J」は間違いではないが、H&K社の正式名称にMP5Jというモデルは無い。
・SATでの使用例
2013年の福島第二原発対テロ訓練での千葉県警SAT。
光学標準機などは一切無いノーマルのMP5Fがつかわれました。
2015年伊勢志摩サミット向け公開訓練の警視庁SAT隊員。ハイマウントにEOtech社製のEXP S3ホロサイトが取り付けられている。
ハンドガードがレイルシステム付のものに換装されているがガンパーツは装着されていません、
記事を書きながら気がつきましたがこの隊員コスタ持ちですね。警視庁SATではコスタ持ちで射撃するよう訓練しているのでしょうか?
この他にも2005年に行われた自衛隊と北海道警SAT(この時は銃器対策部隊として出た)がMP5Fを使用していたそうです。(画像は見つかりませんでした)
・機関けん銃③ MP5K
秘匿携行に特化したコンパクトなMP5。ストックが無いのが特徴。
元SAT隊員の伊藤鋼一さんが書籍の中でSATの前衛部隊である警視庁特科中隊(SAP)で使用されたと述べています。
・機関けん銃④ MP5SD6
(画像はフランス国家憲兵隊治安介入部隊(GIGN)、MP5SD6の実銃の画像はこれしか見つけられませんでした.....)
サイレンサーが装着されている伸縮式銃床のMP5。こちらもかつて警視庁特科中隊で使用されていたらしい。
SATのモデルとなったGSG-9も様々なタイプのMP5を持っているため最初の頃はそれを手本にしていろいろな銃を採用し、より適した銃を模索していたのかもしれません。
・機関けん銃⑤ MP5A4(?)
2015年の伊勢志摩サミット向け対テロ訓練の狙撃訓練で、標的のテロリスト役のマネキンに吊るされていた固定ストックのMP5、固定銃床でこのタイプのハンドガードのMP5はMP5A4ですがMP5A5の銃床を固定銃床に換装した可能性も考えられます。
もしくは実銃ではなく万が一弾が当たってもいいように訓練用のエアソフトガンだったかもしれません。
・自動小銃
自動小銃とはライフル弾を発射する小銃にガス圧や反動で次弾を自動装填する機構を持たせたもので、アサルトライフルやバトルライフルがこの部類に入ります。
・自動小銃 89式5.56mm小銃
89式5.56mm小銃は自衛隊が採用している豊和工業製のアサルトライフル。陸・海・空自衛隊と日本警察そして海上保安庁で使用されている。使用弾薬は89式5.56mm普通弾(5.56×45mmNATO弾の国産品)
・SATでの使用例
画像は2004年に有識者を集めて政府が行なった「安全保障と防衛力に関する懇談会」で配布された「参考資料〜警察対テロ対策について〜」という資料の特殊部隊(SAT)の項。装備品として89式5.56mm小銃が画像付きで掲載されています。
画像に写っているのは第1空挺団や戦車搭乗員が使用する折曲銃床式のモデルで、銃床を左側に折り曲げ670mmに縮小することができます。
(89式5.56mm小銃の通常型)
(89式5.56mm小銃の折曲銃床型)
この89式5.56mm小銃ですが、MP5よりも長いため近接戦闘には不利になります。そのため敵がボディアーマー等をつけており9mmでは威力不足な場合や敵が屋外にいてMP5では射程不足な場合などの限定的な状況においてのみ使用されると考えられます。
2016年10月現在SATが89式5.56mm小銃を使用した公開訓練は行なっていません。そのためSATが使用する89式5.56mm小銃については現状詳しい事はわかっていません。
今回はここまでです。次回のSAT編ではSATが使う拳銃について考えていこうと思います。
gsg9_Hk
PS.近々「GSG-9について考える」を始めようと思っています。
*画像に問題があれば削除しますのでご連絡下さい
この記事へのコメント
ガイ●ジジャ、ップヒト、モドキのく、そゆとりが
自●さつの勉強でもしてろよ劣等日本猿ヒトわモドキ
ゴキブ、リニホンザル近親相かんゴ、ミ民族の一家は服毒して自●さつしろ
自●さつの勉強でもしてろよ劣等日本猿ヒトわモドキ
ゴキブ、リニホンザル近親相かんゴ、ミ民族の一家は服毒して自●さつしろ
Posted by か at 2019年10月29日 04:44